水力発電を学ぼう! HYDROPOWER
The Mechanism and Role of Hydropower 自然の力を利用した発電の仕組みと役割
水力発電の役割と特徴
水力発電は、再生可能エネルギーの一つとして安定的な電力供給を可能にします。
主に山間部や河川を利用するため、発電時に温室効果ガスをほとんど排出しないという環境にやさしい特徴があります。
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再生可能エネルギー
自然の水の循環を利用するため、
持続可能なエネルギー源です。 -
安定供給
天候に左右されにくく、
安定した電力供給が可能です。 -
低炭素排出
発電時にほとんど
温室効果ガスを排出しません。
水力発電はどうやって電気を作るの?
発電所の形式
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ダム式発電所(例:二風谷発電所)
川が狭く、両側に高い崖のような岩がある場所に「ダム」という大きな壁を作って水をためます。このためた水を一気に流して、その力で電気を作る方法です。たくさん雨が降ったときや、水が増えたときは、ダムに水をためておいて、必要なときに使う量を調整できる便利な仕組みです。
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水路式発電所(例:洞爺発電所)
川の上流に、川の一部をせき止めて水を集める場所(これを「取水堰」と言います)を作り、そこから水を長い水路に流し、川の高いところから低いところへと落とす力を使って電力を作る方法です。この方法では、川の水量が非常に重要で、川の水が少ないときはあまり電力を作れないこともあります。
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ダム水路式発電所(例:豊浦発電所)
これは「ダム式」と「水路式」のいいとこ取りをした方法です。ダムでためた水を水路で下流に運んで電気を作ります。ダムがあるおかげで、水をためておいて、必要なときに量を調整しながら電気を作ることができるので、とても効率がいいです。
運用方式
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流れ込み式
川の流れる水をそのまま発電に使う方法です。この方法では、ダムのように水をためておけないため、雨がたくさん降って川の水が増えるときは、全部の水を使うのが難しくなります。また、川の水が少しないときには、作れる電気の量も減ってしまいます。
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調整池式
この方法では「調整池」という水をためておける場所を使います。電気をあまり使わない夜や週末に水をためておいて、たくさん電気が必要なときに発電する仕組みです。1日や1週間くらいの電気の使われ方に合わせて調整できるのが特徴です。
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貯水池式
こちらは、長い期間の電気の使い方に合わせて調整する方法です。「貯水池」という大きな池に雪解けや梅雨、台風の時期にたくさん水をためておき、川の水が少なくなる時期にその水を使って発電します。この方法は「ダム式」や「ダム水路式」でよく使われています。
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揚水式
「揚水発電」は、水をポンプで上にくみ上げてためておき、必要なときにその水を落として発電する仕組みです。「純揚水式」とは、川の水を使わず、上と下のダムの水だけで発電する方法です。これに対して、川の水も合わせて使うのは「混合揚水式」と呼ばれます。
さらに最近では、「可変速揚水発電」という技術が使われています。この技術では、水をくみ上げるときのポンプの速度を調整して、電気の使われ方の変化にうまく対応します。これにより、天気によって変わりやすい太陽光発電や風力発電の電気をうまく活かし、安定して高品質な電気を届けることができるようになっています。
水車の種類
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フランシス水車
この水車は、いろいろな形や大きさがあり、羽根が固定されているのが特徴です。一番よく使われている一般的な水車で、中くらいから高い落差(50~500m)の発電所で活躍しています。当社では、虻田発電所など多くの発電所で使われています。
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クロスフロー水車
水の圧力と速度をランナと呼ばれる羽根車に作用させる構造の水車です。クロスフローとは水がランナを交差し流れることを意味しています。主に1,000kW以下の小水力発電所で採用されます。当社では、壮瞥発電所で使われています。
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カプラン水車
この水車は、羽根の角度を変えることができるのがポイントです。川の流れがゆるやかで落差が低い場所(3~90mの低落差)でよく使われています。当社では、京極名水の郷発電所で使われています。
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バルブ水車
バルブ水車も羽根の角度を変えることができる水車ですが、特に水がほぼまっすぐ流れる構造が特徴です。落差がとても低い場所(20m以下)の発電所で使われることが多く、当社では、二風谷発電所で使われています。